5/28まで八木良太さんの個展が開催中です。
じつは、2006年に無人島プロダクション@高円寺で開催された、八木さんの初個展で見た、氷のレコード「VINYL」がスーパーかっこよくて、一枚手に入れたはいいけれど、プレイヤーがないという理由で、ずっとずーっと死蔵していました。
それが、先日、知り合いの方のバイトされている、南砂町のリサイクルショップ地球堂で、ようやくレコードプレイヤーを入手。
念願の、氷のレコード・プレイング@来来とあいなりました。
以下、七転八倒?の氷のレコード鑑賞会の報告です。

じゃんじゃかじゃーん!
桐箱に入っているんですねえ。
立派だあ。
中から出しますと、、
こんな感じ。
シリコンでできた製氷皿が作品本体です。
で、ツイッターで、無人島プロダクションの藤城さんが、「精製水使ったほうがいいよ」って教えてくださったので、さっそく薬屋さん行って、いそいそと、そろえましたですよ。

前日から、冷凍庫で凍らせて、準備万端!
こおっとる、こおっとる。

いざ、鑑賞です。
★演奏実験パート1
〜アヴァンギャルド編
これが正真正銘の、記念すべき、第一回の鑑賞。
で、
結果は、、
ご覧いただいたとおりなわけですが、
なんというか、、、
「列車の走行音」
もしくは、
「かき氷つくり中」、
みたいな???!!!!
音色が聴こえたときは、超感動でしたが、
のだめもびっくりのアヴァンギャルドな実験演奏となりましたww
ぎゃぼーーーーん!!!
アナログプレイヤーさえ用意すれば、ステキな氷のクラシックが聴ける!という安易な期待は、無惨にもうちくだかれまして、
もっかいリベンジ!せねば、
ですよ!!
ただ、すぐにはききかえせないのが、氷のレコードたるゆえん。
しこしこと、またお水を入れて、一晩凍らせ、後日ふたたびトライしたわけなのでした。
で、再演、の巻。
★氷のレコード演奏アゲイン♪
キターーーーーーーーーーーーー!!!
こんどは、曲がきこえてきます!!
センテンスごととぎれているというか、
なかなか、リニアに一曲きかせてはくれませんが、
それでも、氷が溶け出す前にだけ存在する、瞬間の音楽が、なんだかとても神秘的。
針のガリガリ音とともに、どんどん音がかきけされてくのが、はかなくて。。
一期一会の音楽とでもいいましょうか、氷の出来や、室温、偶然などによって、一回たりとも、同じ演奏がないわけですよね。
針をあっちこっちするのが、まるで、DJプレイみたいで。
音楽を手に入れたにもかかわらず、それを自分でどうにか「演奏」しないと立ち現れない、不可視の音楽。でもそれが、物体化しているということが、めちゃめちゃ不思議です。
このねじれたアナログ感は、すごい。
じつは、二度目は水道水使っちゃったり、氷がゆがんじゃってたり、コブができてたりしたので、
「つぎは、完璧な氷のレコードをつくるぜ!」と、がぜん闘志がもえてしまいましたよw
氷が、すごい綺麗でしょ?
ターンテーブルの魔術師、クリスチャン・マークレイの直系にして、もの派の愚直で静謐な物質との戯れを思い出させたり、あるいは、ほんの身近な素材で、日常の感覚をずらしてみせるフルクサスの精神もまじってたり。
でも、そんなアートの文脈とは関係なく、素直に楽しめる作品だと思いました。
だって、何度でもかけたいし、聴いてる瞬間は、頭の疲れがとれちゃってるし。
なにより、お料理みたいで、本当に楽しいの!
どうやったら、一曲演奏しきれるのだろう。
こんなカステラみたいな分厚いんでなくて、極薄のレコードができたら、さぞ美しいだろな。。
いい演奏ができたら、また報告しますね!
(鑑賞者ではなく、最後はすっかり演奏者の気分w)
八木さん、素敵な時間をありがとー!
ps 後日、八木さんから、過重を減らすために、針の重心部分に、十円玉とか重しを載せるといいと、アドバイスをいただきました。次はそれだあ!